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やばい!遅刻だ!!
部活の先輩に押し付けられた後片付けを超特急で終わらせた俺は、待ち合わせの駅に駆け足で向かった。
「ごめん!遅くなった!!」
俺は彼女を一目見るなり、直様謝った。しかし、彼女は静かに本を読み続けるだけで、何のリアクションもない。
怒っているのか?
不安になった俺はどうしたらいいのか分からず、ただ突っ立っているしかできなかった。
蝉の鳴き声が響く。古いこの駅にはクーラーは勿論なく、夏のムッとした暑さが待合室に立ち込み、身体中から汗が流れ落ちる。それにも関わらず、彼女は静かに本を読み続ける。まるで図書室で読んでいるかのようだった。
それをジッと見ていると、彼女はふとこちらに視線を上げた。
「あれ? いたの?」
目をぱちくりさせた彼女はいそいそと本をしまい始める。
「じゃあ、行こうか」
何事も無かったかのように言う彼女。どうやら、俺の杞憂だったようだ。
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