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「キミも○○停行き待ちなの?」
「○○停?…ここの停留所は××停逝きしかないわよ」
「え…でも、俺は確かに―」
慌てる俺をよそに、隣に座る彼女は本から一切視線を離さずこう言った。
「間違ってるのなら、早くこの停留所から出た方が良いわ。そうしないと還れなくなる」
「(本数がないってことか?)教えてくれて、ありがとな」
「……いいから早く還りなさい。さっきから貴方を呼んでる人がいるから」
「分かった。それじゃあ」
立ち上がった俺は、戸を引き一歩外へと踏み出す。
その時だ
「私の分まで長生きしてよね。――君」
「え…!?」
突然呼ばれた俺の名前。驚いて振り向けば、そこはただの廃屋だった。
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