あとすこしの勇気

恋

「相澤君って…犬好き？チョコがなついてたから…」
果凛は静かな雰囲気の中小さくつぶやく
チョコを散歩中、出会った時のことを思い出す
「あぁ。犬好きだよ。」
勇人も小さな声でつぶやく。川を見ながら勇人は語りだした
「チョコって、５年前公園に捨てられてた犬に似てるんだ…」
「！？」

５年前…

勇人が小学生の頃の話
雨が降っていた日、勇人は雨なので友達と遊ぶ約束もせずにまっすぐ家に帰るところだった。
友達といつも帰る道とは違い、近道なので公園を抜け帰る途中、

クウ～ン

公園の角にあった段ボールの中から犬のような鳴き声が聞こえた。
勇人は段ボールを開けた
中には鼻のところだけが茶色いかわいい子犬がいた。育ててあげてと書かれたメモとともに。