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「いえ、なんでもありません。王都の少しはなれたところに丘がありますよね。あそこに昔は孤児院があったんです。」
「その口ぶりからすると襲撃と共になくなったと。」
「はい。ただ最近その孤児院の子が王都で見つかっているんです。」
「どうしてその孤児院の子供だと分かったんです?10年も経てば成長して見た目も変わるでしょうし。」
「それは体にある魔法が掛けられたままだからですよ。」
「ある魔法?」
「名前までは知りませんが、集団生活の中で規則を破ったものに痛みを与える魔法だとか。襲撃でなくなられた孤児院の先生が掛けたそうです。」
一種の懲罰だろう。
「でも、なんでそれで分かったんだ?他の人の魔法かも知れないのに。ましてや掛けた本人もいないのに。」
「いえ、それに関しては掛けられた人の背中には魔法陣がつくのです。それを一流の魔導士が見れば誰が掛けた魔法か見破れるんです。」
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