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王都の入り口に近づくと兵士と思しき男が近づいてきた。門番だろうか
「おいそこのお前たち、訊きたいことがある」
「なんですか?」
外見10歳のメアリーに答えさせるのはおかしいので、俺が口早に応じる。
「尋ね人がいるのだが、そいつの特徴をこれから話す」
「はぁ。」
俺が気の抜けた返事をすると兵士は紙を取り出し、それを読み上げる。
「まずは……黒いローブを着ていて背格好はお前くらいだ」
なんか、その尋ね人が誰か分かったわ。しかし自らそんなオッレでーす、と言うつもりは無い。
「透明なナイフを1対持っているらしい」
先ほどからまさかという顔をしていたメアリーが口を開こうとする。それを遮るように
「いや、知りませんねぇ。」
と少し大きめの声を出す。メアリーが「え?」とでも言いたげにこちらを見上げてくる。だが今は無視だ。
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