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――――黒田研究員の助手――――
「それでは、これより最終会議を始める」
いよいよか。
議長が、会議を始める際に恒例となった鐘を鳴らした。
「世界が変わる瞬間から世界が始まる瞬間へ」
会議の参加者たちは、これまでで一番の拍手をする。
僕は手元に用意した資料に目を通して、最終確認した。
大丈夫。万全だ。
終末の木の状態は良好。
ついに、エネルギーも溜まったし、あとは起動させるだけだ。
「それでは、黒田研究員は最終作業に追われているため、助手の方に終末の木の説明をしていただきましょう」
「はいっ!」
僕は威勢よく返事をして席から立ち上がった。
各国の代表、それに運営のトップクラスが集まっている会議だ。
絶対にミスは許されない。
大丈夫。
僕は、黒田さんを超えたんだ。
「まず終末の木の状態についてご説明させていただきます。死神が大量のエネルギーを送ったこともあり、無事にエネルギーは溜まりました。これにより、いつでも世界が変わる瞬間は始められます」
僕の言葉に、おおおおおっと歓声がわく。
「情報共有が完了次第、世界が変わる瞬間作戦を開始したいと思います。当初の説明通り、終末の木を起動させると実際に働き始めるまで7日間の時間を要します。この期間で、各国では避難の準備を始めてください」
よしよし、完璧だ。
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