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────土方歳三────
俺はメインストーリーの入口の扉を抜けると、全力で駆け始めた。
周りでは何万人ものプレイヤーが走っている。
この先に待つ光景は、どんな形にしろ終わりのみ。
俺たちが勝つか。
運営側が勝つか。
そのどちらか。
俺たちが勝てば、ブラックアウトの運営の目的は崩れる。
逆に俺たちが負ければ、全世界の運命は予定通り変わるわけだ。
向こうは、圧倒的な戦力。
しかし、全ての敵を倒さなくとも、終末の木さえ破壊すれば俺らの勝利。
向こうには守らなければならない物がある分、こっちが優勢と言える。
だが、終末の木を停止する為には力業だけじゃ無理だ。
いわゆる一つの爆弾と考えればわかりやすいが、下手に攻撃を加えるとすぐにでも発動する可能性がある。
解除するのには、その為の道具が必要だ。
その道具は、レッドキングダムのリリルに預けた。
一番強い奴が一番進む可能性は高いからな。
結果的には、それで良かったかもしれねえ。
俺は舌打ちをした。
俺の本当の目的は、終末の木を止めることじゃねえ。
総司の目を覚ますことだ。
早く辿り着かねえと。
天草は総司を殺すつもりだ。
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