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体の奥底から、できるだけの命力を集め始める。
イメージは中心部から外側に放出していくような感じだ。
これが氷の能力を使用する際に大事にしてきたことだ。
暴れまわる3体の無機質な獣。
俺は、それらを順番に確認した。
レベルは6万あるが、その巨大すぎる体型には弱点が多く、実際にはレベルの実力には伴っていない印象が強い。
あくまでも攻撃力と防御力に秀でていると考えると、敵に囲まれたり捕まったりしなけばそんなに怖い存在じゃねえ。
「凍れ」
俺は全身から放出した命力を両手に一気に集めた。
同時に、辺り一帯の空気が冷却されていく。
ピキピキと奏でる冷たい音は心地よく、俺は3体のロボットに狙いを定めた。
途端に、敵が立つ場所を中心的に周囲10メートルほどの地面から氷が飛び出して、タワーを作り出していく。
この技は設定した場所の地面から数十メートルの高さまで一気に凍らせる大技。
当然ながら、設定した範囲が広ければ広いほど多くの体内エネルギーを消費する。
3体の人型搭乗兵器は、あっという間に氷の柱に飲み込まれて姿を消した。
荒れ果てたまっさらな大地には、3本の巨大な氷で作られた柱が立っている。
俺は、僅かにふらつく足に力を入れながらその光景を眺めていた。
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