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思った通り、奴らは広範囲の攻撃に極端に弱い。
「散れ」
作り出した3本の氷柱に、俺は大量の命力を送り込んだ。
溜め込んだ力が膨張して、内側から氷柱が粉々に砕け散る。
爆発に近いこの技は大量の命力を消費するが、それに見合った攻撃力を誇っているんだ。
3体の駆動兵器は、ほぼ跡形も無く粉々になった。
ちっ。
今の戦闘で体内エネルギーの半分は消費しちまった。
俺はDIMを取り出して時間を確認した。
天草が移動した以外にも、色々な隊がメインストーリーに乗り込んでくる予定だが、最後のリリルが指揮する隊が乗り込んでくるまでにはまだ時間がある。
それまでにどれだけ先に進めるかが勝負だな。
メインストーリーは、全部で10の層で構成されている。
俺たちはまだ第1層だ。
「この10層のどこかに総司はいるはずだ」
「正解だな。だが、メインストーリー内で気を抜いた事が失敗だ」
聞き覚えのない声に、俺は反射的に防御態勢に入った。
しかし、声がした方向とは別の方角から体に重圧がかかる。
右の脇腹付近から感じる能力独特の威圧感。
めんどくせえ。
俺は右手を差し出した。
この能力は避けられない。
だったら、差し出すしかねえ。
次の瞬間、右の肩の付け根から血が噴き出し、俺の右腕が吹き飛んだ。
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