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「わしは、オリンポスに潜むメインストーリーの入口の門番だったんじゃ」
オリンポス……。その言葉で思い出した。
メインストーリー第2の入口があるオリンポス山脈。
強力なモンスターが多く、これまでに誰もその入口に辿り着けた奴はいなかったが、噂ではその頂上には全てのモンスターを束ねる門番が居るって話は聞いたことがある。
確か、その名前が王龍だ。
「その通り」
王龍が納得したような様子で何度か頷く。
「ちなみに教えといてやると、さっきのロボットを出現させたのもわしじゃ。メインストーリー内だったら、わしは自由に物体の移動を行うことができるのじゃ。こうして、わしが現れたのもその能力でな。わしの自慢の能力の一つじゃ」
「単なるお喋りクソジジイだな」
俺の返答に、王龍は少しムっと表情を浮かべた。
レオンの駆動兵器が何でいくつもあるのかは謎を残したままだが、どうやって現れたのかは謎が解けた。
「言葉には気をつけろよ。すぐにでも、お主を殺すこともできるんじゃ。見てみろ」
全身が揺れたような感覚が走った。
「申し遅れたが、わしがマリアの代わりに世界の王補佐の座についた。よろしく頼むな。若造よ」
瞬きすらしてない状況で、確かに視界の光景が切り替わった。
遥か遠くに見える王龍。
何故か、俺を見上げている。
視界に映る光景は、果てしなく広がる荒野だった。
吹き荒れる風。
自分が気付かぬ間に、数百メートルの上空から落下していた。
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