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確かに大勢を蹴散らすのには、こいつの力は打ってつけだな。
対峙する敵は、俺の体よりも遥かに大きい存在。
当然だ。人間じゃねえんだ。
こいつは、元々はプレイヤー側だったはず。
いや、正確に言えばプレイヤーだったが運営委員会に乗せられてうまく引きずりこまれた。
運営委員会の中でも、相当な実力者だろう。
世界の王の補佐のうち二人が死んだとしたら、新たな席についていてもおかしくはないはず。
何しろ、ブラックアウト内で最強だったレッドキングダムの王を、結果的には殺した男だ。
「まさか、あんたと手を合わせられるとはな」
俺の周囲には冷気が漂う。
巨大な存在の正体は、無機質な冷たい金属。
人の姿とよく似たその機械はあらゆる武器を操ることができ、自らの体内エネルギーを使用して爆発的な力を発揮することができる。
俺の読みだと、レベルは最低でも6万以上。
殺戮兵器の中には、人間が搭乗している。
当然、何らかの“能力”も持ち合わせているだろう。
人型駆動兵器を操る元アレクサンドロスのリーダー。
「レオン」
いきなり本気を出さねえと、やばい相手だな。
人の形をした兵器は、銃口となった右腕を俺に向けてきた。
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