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俺は、プレイヤーを蹴散らして次々と殺していくその姿をしっかりと見据えた。
アレクサンドロスのプレイヤーたちは、同じような機体を操っているように見えたがそれぞれ形は微妙に異なっていた。
だが、今暴れまわっている機体はどれも全く同じ形をしているレオンが乗っていた人型駆動兵器だ。
「どういうことだ」
目の前で倒れている機体もレオンが乗っていた人型駆動兵器。
そして、あそこで暴れているのもやっぱり同じだ。
それぞれがレベル6万を超えている。
こんなことありえねえ。
6万超えを3体を相手に戦えるか?
俺は腹の奥から声を出した。
「止まるな! 先に進め!」
その声に反応したプレイヤーたちが逃れるように、メインストーリーの奥に向かって一斉に走り始めていく。
「戦うことが目的じゃねえ! 走れ!」
しかし、3体の駆動兵器は野獣のように近くのプレイヤーを手当たり次第に殺していく。
俺はその光景を余所に、目の前で倒れている駆動兵器に登った。
腹部を貫いている氷を消して、その穴を覗き込む。
「なるほどな」
俺の背筋には悪寒が走る。
レオンをナメていたかもしれねえ。
開いた穴の中には、氷柱により貫かれて破壊されたコックピットらしき座席が潜んでいた。
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