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「昨日は本当に残念でしたねぇ...マユカ、なんかすみません。尊敬するハル先輩の、大事な仕事とっちゃって」
「気にしないで、私これからまた頑張れるから。」
少しでも早く、マヤカから離れたかった。
けれど部署が同じ彼女とは、6階の企画部まで一緒に行かなければならない。
エレベーターを待っている途中、マユカは言いづらそうに話を切り出した。
「あのぅ、先輩...。もうひとつ申し訳ないことがあって」
「なあに?」
イライラしていた。
傷つける気マンマンのこの子の言い方に、とても。
「わたし、昨日から、田島先輩とお付き合いすることになったんです」
「え?」
想像を超える発言に、私は思わずマユカの方に身体を向けた。
「おめでとう」
わけのわからないままお祝いの言葉を口にする私を見て、彼女はとても満足そうな顔をした。
「田島マサユキ先輩。ハルさんと一か月前まで付き合ってたんですよね?」
「うん、そうだけど。マサユキから告白したの?」
「いえ、私ですよぉ。ずっと気になってましたもん」
栗色のふわふわした髪の毛を指でいじりながら、彼女は夢心地のような表情を浮かべ、「かっこいいですよね、彼」と呟いた。
「そういえば、田島先輩のこと、まだマサユキって呼んでるんですね。未練たらしくないですか?苗字で呼べばいいのに」
「ああ、そうだね...そうするよ」
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