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…そういえば、かなり昔、ウチには一羽のインコがいた。
手乗りの可愛い奴で、家族みんなで可愛がっていたっけ。
でもそいつは、ある日、突然死んだ。正確には、預かった猫に殺された。
親戚の家の都合で、一週間だけ預かることになった猫。我が家には鳥がいるからと、家族中で難色を示したが、インコは、猫を入れないようにした部屋に籠ごと入れて置くことにしようと、そういう意見で話をまとめた。
それでも好奇心大聖なすばしっこい子猫は、知らぬ間にその部屋に入ってしまい、器用に籠を開いて中のインコを殺した。
とても悲しかったけれど、まさか子猫に当たり散らすことなどできず、家族一同、仕方がないと諦めた。
そして、半ば以上そのことを忘れた数年後、再び親戚の都合で猫はウチに来ることになり、そのまま我が家の一員となった。
今の今まで忘れていた記憶。それを、どうしてまだたった五つのこの子が知っているのだろう。
姉が話した? まさか。母親が息子にそんな話をして何になる? 話す理由がない。
だとしたら、甥っ子の発言はいったい…。
「オジちゃん達が庇っても、ボクはあいつを絶対に許さないからね。この体の爪や牙じゃ、アイツを引き裂くことはできないけれど、人間は別の武器を使えるから。必ず同じメに合せてるんだ」
子供のものとは思えない甥っ子の復讐宣言を、俺は混乱しながら聞くしかできなかった。
永い恨み…完
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