第1章

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「はぁ、私が山都様と同い年だったら、恋人同士になりたいと素直に願ってもいいのに……」 または、 「私が高校生の年齢になったら、山都に告白してもいいかも、年の差の恋人同士というやつですね」 それも悪くないと思うが、それにはあと数年の月日が必要だ。時間と共に山都と真朱の関係にもきっと変化が訪れる。 「私は」 コシコシと目元をこすり、真朱は眠りに落ちた。 一方、その頃、陰火から逃げ延びた、山都は真朱の部屋に来ていた(もちろん、ちゃんと服は着ている) 「やっぱり、ちゃんと謝ってないとダメだよな。真朱だって女の子なんだし」 風呂場で見た真朱の裸を思い出し、山都はポリポリと頬をかいた。あの時は気づかれなかったが、真朱の裸を見て、ほんの少しだけドキドキしてしまう、自分がいた。悲鳴をあげられたときにはかなり、焦ったし、陰火の平手打ちをくらって正気に戻らなかったら余計なことをして、真朱を傷つけていただろう。 真朱は、小学生だ。幼い子供を相手に、こんな気持ちになるのは変だが、最近の真朱は大人っぽくなっているのだ。 (境遇や環境ってやつかもしれないけどな。でも、もうちょっと子供っぽくってもいいと思うんだけど、なかなか難しいな) やれやれとため息をつきつつ、 「入るぞ。真朱……って、寝てるのか。ま、あんなに騒げば無理もないか」 スースーと眠る、真朱の寝顔は、子供っぽい。 「こういうところは、まだまだ、子供だな」 布団をしいて、真朱を抱きかかえて、寝かせた。濡れていた髪は軽くタオルで拭いて寝癖にならないようにしていおいた。 「謝るのは、明日でも」 と立ち上がろうとしたとき、真朱はギュッと山都の手を握りしめていた。起きた様子はない。無意識の行動だろう。 「無理に離れると、起こしてしまうし、外に出ると陰火が襲いかかって来そうだな」 息子さんを、切り落とされたくはない。不可抗力とは言え、見られたのは仕方ないが、あんなに怒る必要は無いだろと一人で納得するが、陰火の怒りが収まるまでここに隠れていたほうがいいと思った。 いつまで、そうしていただろう。時計の針がチクタクと鳴り響き、ムゥ……と真朱は目覚めた。
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