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少女は電車を乗り過ごし、頭を抱え、一人呻いたあと、一時間以上ある待ち時間を読書で乗り切ることにした。
電車には乗りきれていないけれど。
『でかいな』
「ん?」
『貴女のその双丘の事を言っているのではない。誤解しないでくれ。存在の話をしているのだ』
「どこから入ってきたの?」
『やれやれ。僕はずっとここに居たさ。全て見ていた。貴女が右往左往する様は滑稽であったが、書を読むとは良き心意気ではないか。そこらに闊歩している有象無象に貴女の爪の垢を煎じて直接胃に流し込んでやりたいね。故に貴女の常世に及ぼす影響は大きい。して、存在がでかいと唱えているわけだが』
「なに言ってるのか分からないや。焼きが回ったかな」
「にゃあ」
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