うさぎ

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先生の肩に手を導かれる。 先生にお借りしたスウェットの下、無防備な素肌に、気づけば大きな手のひらが這っていた。 思わず離れようとした途端、腰から首元まで、背中を一気に長い指が駆け上がった。 後ろ襟から飛び出た手のひらが私の後頭部を支え、あえかな悲鳴は、我が物顔で蹂躙する侵入者に吸い取られた。 抵抗する気は無い。 でも、不安がないわけでもない。 「……せんせ……」 息継ぎのように何度か囁くと、ようやく先生は少しの猶予をくれた。
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