うさぎ

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背中から圧し掛かられて、息が止まる。 ケホッと小さく咳をすると、「大丈夫?」と背中を撫でてくれた。 暖かな体温が、背中から伝わる。 そ、それがダメだというのが、分からないのだろうか。 むしろ緊張で息ができない。 やめてほしい。 「お……おはようございます、ありがとうございます」 離れてくださいという意味を込めて言ったのに、なぜか益々くっつかれた。 首筋に頭を擦り寄らされる。 やっぱり犬みたいだ。 短い髪が耳にあたって、ぞわぞわする。 心拍が乱れて息苦しい。 「せ……先生?」
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