うさぎ

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◇ 先生の家から帰ろうとすると、車で送ると言われた。 雪道に車というのはトラウマど真ん中で、さすがに避けたい。 しかし、先生に言われて窓からよくよく見てみれば、歩道はともかく車道の雪はすっかり融けてなくなっていた。 これなら、車に乗れるかもしれない。 「でも、この分なら電車も動いていますね」 「……すみません。電車はたぶん、止まっていなかったと思いますよ」 「え?」 先生は、ばつの悪さを隠すように、カーテンを閉めた。
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