なかない うさぎ

うさぎ

「勝将だよ」

唇の端まで思わせぶりに撫でてから、ようやく指が離れた。

火照った唇が、痺れている。

「……かつまささん」

「……長いな。とりあえず、今日はそれでいいけど」

名残惜しむように、視線が絡む。

篭る熱を逃すように目を伏せると、唇が重なった。

ふわりと重なったそれは、何度も繰り返し合わさり、徐々に熱を上げていく。

果てがないのが怖くて身を引くと、先生はあっさりと離してくれた。