うさぎ

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「…………嫁に出す心構えをしておけって、なんだハチ! どんな言い草だぁ、お前ぇええっ!! 一発殴らせろっ!!」 「やっ……よっちゃん、やめてっ!」 慌てて、今度は私がよっちゃんに抱きつく。 玉突きゲームのようなドタバタ劇だ。 「お医者さんが、人に怪我させちゃダメ!」 さすがに私は振り払えなかったのか、私をぶら下げた腕を揺らしながら、よっちゃんは八田先生を挑むように見上げる。 望もようやく先生から離れて、そこに並んだ。 「兎川先生、望君」 望に乱された襟元を正した先生は、二人に向き直った。
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