うさぎ

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「お二人がいない間に申し訳ありませんでした。お二人より芙紗子さんを大事にしますので、どうか俺に芙紗子さんをください」 「俺らよりって無理なんだよ、あり得ないんだよっ!!」 「ふうちゃんは、物じゃないんだから、あげるとかないんだよっ!!」 間髪入れずに全否定だ。 怒りが増したのか、よっちゃんが八田先生の襟元を絞り上げる。 えぇぇぇぇぇ……こんなに乱暴だとは思わなかった。 顔を引き攣らせながら、よっちゃんを宥めるものの、全然聞いてくれない。 「本当にふうちゃんのこと、大切にできるんだろうな?」 「はい」 「じゃあ、なんで目が腫れてるんだよ!? 明らかに泣き痕だろ!?」 「よっちゃん!」 腕にぶら下がるようにして、引き止めにかかる。
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