うさぎ

121/126
前へ
/887ページ
次へ
「違うよ、よっちゃん、逆なんだよ。私……先生がいなかったら、ろくに泣くこともできなかったよ? 今日だって……今日ね、車に乗れたんだよ。雪が残ってる道を、車に乗せてもらったんだよ」 「……ふうちゃん」 先生から離れたよっちゃんの手を、両手で握り締める。 小さな頃から私を支え続けてくれたよっちゃんの手は、いつだって温かくて大きかった。 それだけで、安心できた。 それを今、私の小さな手が包んでいる。 「……ふうちゃん、ハチ先生のこと……好き?」 ポツンと望が訊いた。
/887ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1339人が本棚に入れています
本棚に追加