はる

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「それは、目の前に面するっていう意味だろ。望は、遠くを見るってことだよ。望遠鏡って言うだろう?」 「へぇ。期待するという意味しか知らなかった。希望とか、願望とか」 「望郷とか、待ち焦がれるような意味なのかな。望月となると、逆に満ち足りている。そうそう、人望とかは、また違う意味だろうな。信望にも使うし、頼りにされるということだろう」 遠くを眺め、思いを馳せる。 高みを目指して旅立っていく望には、相応しい名前なのかもしれない。 その一方で、満月のように満ち足りている。 その二つは、相反することではないのだろう。 そうしたらきっと、人から信頼されるお医者さんになれるに違いない。
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