はる

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「ふうちゃんも望も、生まれたとき、本当に嬉しかった。俺も兄貴も義姉さんも、心底喜んだんだ。 生まれてきてくれてありがとう。 二人の分まで生きろとか、俺はどうがんばっても二人にはなれないからさ、言いたくはなかったんだけど、これだけは分かるよ。 お前たちが幸せなら、きっと二人も喜ぶ。それは俺も同じだから」 大きくなったなぁ……。 満足気な呟きは、もっと大きくなれよと、幸せになれよと言われているような気がした。 三人並んで、お墓を見下ろし、街を眺め、空を見上げる。 白い煙が、青空へとのぼっていった。
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