はる

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「こうして歩くことも、もう何度もないのかな」 「そうですね」 私は、内定をもらった福祉施設へ、四月半ばから移る。 先生は、四月いっぱいで辞め、また大学に専念するという。 代わりに、先生の後輩にあたる人が二人、曜日を分けて一日ずつ来てくれるそうだ。 日に日に日が長くなってきたとは言え、辺りは既に真っ暗だ。 街灯の少ない一角を通ると、月が一際明るさを増した。 今日は、満月のようだ。
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