2人が本棚に入れています
本棚に追加
薄っぺらな女。
いつも涼やかに頁を捲る純真無垢な君は、けれどそういう女性だった。
名前も知らないゲス共に買われ。
無数の脂ぎった手に玩ばれ。
汚ならしい豚共の身勝手で君は何度、望まない婚約を強いられたのだろう。
そうして手に入れた一方的な相思相愛にも、奴らは瞬く間にさめて、新しく見初めた嫁に大金を注ぎ込んだ。
だのに君は何も言わない。
表情ひとつ変えはしない。
だから代わりに僕の心が憤るのだ。
初めてのセカイで初めて出逢った君への初恋は、今もこの胸でモえている。
セカイの誰よりも穢れなき本当の君を。
時間の流れなどでは移ろうことのない、瞬間瞬間の君の感じる全ての事を。
君がたとえ黄ばんでミにくくなっても、僕は一生君を手放したりしない。
だから、
「結婚しよう!マリっ」
「いい加減ライトノベルに逃避するの止めなよ、お兄ちゃんっ!」
最初のコメントを投稿しよう!