第1章

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夏も終わりが近づく今日この頃。 私は小説を読んでいた……のだが、彼がじっと見つめてくる。 「ちょっと、そんなに見られたら集中出来ないじゃない!」 「ふふっ、君があまりに美しくて視線を奪われていたよ。」 「ば、ばか!小説みたいなセリフ言わないでよ……!」 彼ははにかみながら、今まさに読んでいる小説のセリフを言ってのけた。 「まさかエスパー……?」 「エスパーってなに?……あ、もしかして今のその小説のセリフだった?そしたらそれはきっと以心伝心って奴だよ。僕と君は赤い糸で結ばれているから……ね?」 その瞬間、私の視界は彼の顔で覆われた。 「……もう、仕方ないんだから。」 こうして今日も私は彼と甘い一日を過ごすのであった。 「えっと、お前さっきから一人で何言ってるんだ?」 「い……いまの聞いてた?」
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