プロローグ

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――おかしい。 いくら美百合が敏感とはいえ、触れられただけでこんなになるなんてありえない。 自分の身体の予想外の反応に戸惑い、恐れながらも、美百合にはどうしても逆うことが出来ない。 身体中のどこもかしこもが重く、まぶたさえ上げられない。 相手が誰か知ることもできぬまま、美百合は官能の渦の中に巻き込まれていく。 否応なしに濡らされ、中心に男そのものが押し当てられる。 唯一自由になる口で、 「……ヤダァ」 拒んでみたが、容赦なく突き上げられた。 「ヤダ、イヤアッ!」 嫌悪で怖気が走る思考とは裏腹に、身体は男を受け入れてしまう。 受け入れながら、感じた。 「ヤア、龍一、龍一―!」 美百合の身体に触れていい唯ひとりの人物の名を呼びながら、美百合は犯される。 犯されながら、何度も抗えない絶頂に連れていかれた。 ――何故―― 美百合自身も、身体がどうしてこんな反応をするのか理解できない。 ただ甘いイチゴの臭いだけが、美百合の鼻腔の奥に絡みつくように残っている。
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