46人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
有坂龍一は、本人さえも気づかない所に、事細かな罠を仕掛ける。
龍一に狙われた者は、我知らず、自分で事がらを発見した気になって、龍一の仕掛けた罠の中に自らを投じていく。
深く深く堕ちていく。
人は、自らが導き出した結論を、けして疑うことはない。
だから気づかない。
どこまでが本当で、どこまでが仕組まれた罠なのか、ターゲットにはわからない。
最初から最後まで、すべてが、
――有坂龍一の手の上で踊らされている――
そのことに気づかない。
それが、恐ろしい。
最初のコメントを投稿しよう!