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「どうしたの?」
「いや、何でもない。それより離れろ」
「てへぺろ!」
少女は右目を瞑って舌を出した。そして離れない。
なんかムカついてきた。女じゃなかったらぶん殴っているだろう。
いや、やっぱ殴っても良いかな?
だがここは我慢だ。
「離れろ」
殴る代わりに少女の顔を鷲掴みして無理矢理突き放す。
そしてやっと離れると走って逃げる。
背後でオレの事をいけずと言っている少女の声が聞こえたがこれは空耳だと思おう。じゃないと戻って少女の頭頂部を引っ叩きたくなる。
それにしてもあの少女はかなり質が悪いな。もしかしたらあのヤンキーはあの女にたぶらかされて本気になってしまっているのかもしれない。もしそうなら悪い事をした気分になる。
が、やっぱりあの女と離す事が出来て良かったと思う。
あの女は危険だからな。
それにしてもあの女、胸にスミレの造花を飾っていたから新入学生だな。
かくいうオレも胸にスミレの造花を飾っている。なのでそれで間違いないだろう。
あの女と一緒のクラスにならない事を祈ろう。
そう思うオレであった。
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