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「さて……全員…揃ったところで……実力テストを……始めます…」
担任教師が話を淡々と進める。顔は見えないがきっと無表情だろう。そう思うと気味が悪くなる。
「先生!実力テストはどんな事をやるんですか?」
担任教師を呼ぶと同時に挙手して豪は訊ねる。豪が訊ねるとおり実力テストの内容が気になる。豪が訊かなかったらオレが訊きたいぐらいだ。だが恥ずかしくて死にたくなるだろうから豪が手を挙げてくれて助かった。
「皆さんには試合をしてもらいます」
担任教師は先程とは違ってはっきりとした声で言った。
「「はあっ!?」」
オレ含め全員が驚愕の声を上げる。初めてはっきり喋ったのを見たんだ。さすがに驚く。それにいきなり試合をしろと言われたら誰でも驚愕する。
「試合形式は4人1チーム同士での格闘戦です。勿論魔法の使用は可、ちゃんと治療師もいるのでじゃんじゃん怪我してください。因みに死に至る力の魔法は私が責任を持って無効化させますので安心してください。という事で可及的速やかにチームを組んでください」
治療師あり、死に至る力の魔法は無効化する。これはなかなか良い条件だが無茶苦茶だ。
担任教師の言った言葉を逆に捉えると、死なせはしないが大怪我は覚悟しろよ、だ。これほど無茶苦茶な事はない。
「まひろ!もちろん俺と組むよな!」
豪が笑顔でオレの肩に腕を組んできた。どうやら彼はオレが一緒に組むのは当然だと思っているようだ。
かくいうオレも豪と同じ事を考えている。今組めるのはコイツしかいない。
「ああ、もちろんだ」
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