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「いいえ、どう考えてもあんたでしょ!」
コイツなかなかに興奮しているな。
なら全力で論破させてもらうとしよう。
「いいか少女?第一、お前がオレをバイクで轢かなければこうはならなかったんだ。それに、お前からオレに跨ったからオレは悪くない。どう考えてもお前が悪い」
これにて論破完了。言葉足らずなオレにしては頑張った。後でモンブランでも買うとしよう。
「ぐぬぬぬぬ……」
思いっきり論破されたのが悔しいのか少女はまるで威嚇する猛獣のように牙を剥き出しにしてこちらを睨み始めた。だが悪いのは一方的にこの少女だから怯む事はない。
「ふんっ!」
鼻を鳴らすと少女は身を翻して奇跡的に無傷だったバイクを起こした。そしてバイクに跨るとエンジンを掛けて舌を出し、去って行った。
「今日は入学式っていうのに朝から災難だな」
せっかく気合も入れたのにこれじゃあ台無しだ。
「………ん?」
よく考えたらあの少女はうちの高校と同じ服装をしていた。
これはいつか学校で会うかもしれない。
いや、でもうちの学校はマンモス校だからもしかしたら3年間会わないという可能性もある。
だが面倒くさいからあの少女と学校で会っても無視するとしよう。
さて、
「行きますか」
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