第1章

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■AM7:12 いつもの電車に乗る。 揺れが眠気を誘い、時々景色が飛ぶ。 ■AM7:54 トンネル手前の段差でいつも目が覚める。 光の先には降りる駅。 ……の筈だったのだが。 駅の様相が違う。 柔らかいホーム。行き交う人の足音がしない。皆、お面を付け同じ服で滑るように進む。 記憶のなかの改札を目指すと懐かしい色が映った。 木のベンチに座る少女。 彼女も俺と同じように……? 「ここがどこか分かる?君は?」 「あなたの時代より70年後です。私は【自販機】です。対象者の嗜好を分析し姿を映します。」 「自販機?じゃあ俺だけ未来に……?」 「ええ。」 「どうすれば戻れるんだ」 「押してクダサイ、スウジがソロえば……あなたの嗜好はこういった自販機でしたか」 ピピピピピと電子音が鳴りルーレットが回る 「オシイ!もうイッカイ……!」 ■AM7:12 いつもの電車に
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