第1章

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雲一つない青空にギラつく太陽。 ただ今8月中旬。 夏真っ盛り。 暑いの嫌いな俺にとっては地獄の季節。 クーラーの効いた教室に居るにも関わらず考えただけでちょっと汗かいた気がする。 あー、帰りたい。 はじめまして、天野珠有(あまの しゅう)です。 今日もそこそこ元気な高校二年生です。 夏が嫌いな俺は7月に入ってからは完全に引きこもってました。 カーテンを閉め、クーラーの設定温度を20度にした自室で毎日快適に暮らしてたのです。 お陰で肌は真っ白。 久しぶりに日の光を浴びて学校に来たら、皆少なからず日焼けして浅黒くなってて、俺ちょっと浮いてる。 そうでなくても浮いてたのに。 …なんか寂しいね。 突然だけど俺、友達少いんだ。 高校の友達は一人しかいない。 …やっぱ寂しいね。 理由は俺の顔にある。 もっと細かく言うと目。 切れ長の三白眼に小さい頃からの目を細めて物を見る癖。 加えて高校に入ってからできた、目の下のくっきりと刻まれた隈もヤバイ奴感を出してるんだと思う。 これのせいで俺は苦労をしてきてる。 小さい頃から怖がられて中々友達はできないし、近くで事件や問題が起こるとまず俺に疑いがかかるし、小さい子には泣かれるし、やたら喧嘩吹っ掛けられるし、勝手に変な噂ができるし。 兎に角俺が苦労してきてる事を理解して欲しい。
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