第4章

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「……はあ」 人気のない静かな図書館で頭を抱えて大袈裟にため息を吐く生徒が一人。 授業中であるこの時間の、図書館に堂々と居座る生徒なんて一人しかいない。 俺だ。 俺は今、悩んでいる。 ものすごく。 基本的に落ち込むことはあっても仕方ないと勝手に自己完結して流すタイプの俺からすれば、人生で一二を争う悩みっぷりだ。 勉強は全く手につかないし、ソワソワしてじっとしておく事もままならない。 「あ゛ー」 開きっぱなしの教科書やノート達の上で髪をぐしゃぐしゃに弄り倒しながら呻く。 どうしよう。 この言葉で俺の頭はいっぱいだ。 皆さんお分かりの通り俺の悩みの種は昨日のアレ。 あの後各部屋に別れてから颯真とは顔を会わせていない。 と言うか俺が一方的に避けている。 今朝だってワザワザ早起きまでして朝御飯の用意を済ませてから、颯真が起きる前に寮をでたもの。 だって気まずいじゃないか。 どんな顔して会えばいいんだよ。 あの時は兎に角必死で無我夢中だったから分からなかったけど、冷静になってなって考えたらまじでヤバイ。 颯真からしてみれば、男に突かれて感じちゃってる奴にしがみつかれた次の日だぜ? 俺でも普通に接せれない。
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