第1章

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いつもなら気にならないのよ。 誰が立とうが、何があろうが禿げてようがスカート捲れてようが関係ないわ。 でもさっきから気になるのよ。 貴方の後ろが。 「ねえ、最近どこか行ったの?」 私が話掛けて来たのが嬉しいのか彼はすぐに答えたわ。 『昨日噂の廃病院行ってきた。 何もなかったからつまんなかった』 「………ああそう言うこと」 そう言って私は視線を本に戻した。 彼は慌てて弁解するけどもう知らないわ。 貴方の後ろに恨めしそうな顔をした看護師がいたってことを。
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