第1話
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口論をしているのは、ここ・花園家に住む長女・華乃と、次男・奏多だ。 場所は、南館の四階の、深紅色のペルシャのじゅうたんが敷かれた長い廊下。 早足で歩く華乃のあとを、奏多が追いかけている。 一定の間隔を空けて、壁にかけられている何枚もの絵画や、薔薇の花が生けられた花瓶を通過してゆく。
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