第1話

6/27
前へ
/27ページ
次へ
奏多は、元々は、華乃の連れて来た人間に、口出しするようなタイプでは無かった。 そんな奏多に『変化』をもたらした、きっかけは、華乃の彼氏・健を初めて家のなかで見た日の事だ。 奏多が小学六年生、華乃が中学三年生のときだった。 季節は九月。二人とも二学期が始まったばかり。 学校から帰った奏多は、自分の部屋に行く途中、華乃の部屋を通る。 華乃の部屋の前を通ったとき、部屋の中から、 父親でもない、 父親の秘書でもない、 父親の運転手の男でもない、 華乃の運転手でもない、 華子の運転手でもない、 奏多の運転手でもない、 聞いたことのない男性の声が聞こえた…。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加