7人が本棚に入れています
本棚に追加
奏多は、元々は、華乃の連れて来た人間に、口出しするようなタイプでは無かった。
そんな奏多に『変化』をもたらした、きっかけは、華乃の彼氏・健を初めて家のなかで見た日の事だ。
奏多が小学六年生、華乃が中学三年生のときだった。
季節は九月。二人とも二学期が始まったばかり。
学校から帰った奏多は、自分の部屋に行く途中、華乃の部屋を通る。
華乃の部屋の前を通ったとき、部屋の中から、
父親でもない、
父親の秘書でもない、
父親の運転手の男でもない、
華乃の運転手でもない、
華子の運転手でもない、
奏多の運転手でもない、
聞いたことのない男性の声が聞こえた…。
最初のコメントを投稿しよう!