第壱章:入学式は波乱の幕開け

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「あっ、自己紹介が遅れたねっ!ボクは姫川 幸だよぉ♪」 「……七瀬 雪。」 相変わらず無口な雪に対してもガンガン話しかけてくる幸。並大抵のメンタルなら陥落してしまうだろう。 「雪ちゃんはさ、趣味とかあるのー?」 すると雪はうーん、と考えて「……読書、かな?」と応えた。 「へぇ?!オススメあったら教えてよねっ!」 周りのゴリラ達の視線が集中しているが、全く気にしない二人。 百合カップルにも見えなくもない。 幸も雪も、可愛い、綺麗に分類されるので、ある意味似た者同士だ。 キャッキャウフフしてるようにしか見えていないみたい。 僅かな休憩時間が終わり、委員会を決めるらしいHRが始まった。 幸は名残惜しそうに、「また話そうねぇ♪」と言って席に戻ってしまった。 「あー、なんかの委員会を立候補したいやつは手を挙げてくれ。」 もちろん、誰も手を挙げない。 それを予想してか、何やら箱を教台の下から取り出した。 「ならくじ引きで決めるからなー。変更は聞かねぇから。」 そんな話を雪は相変わらずボーッとして見ている。まるで他人事のようだ。 「まずはクラス委員からだなー、なら、引くぞー!」 生徒達は、生唾をごくり、と鳴らしてその様子を見ている。 そして、その結果は……。
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