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────NOT SIDE.
桜がひらひらと舞い、美しい風景を作り出している。
そして、一人の少女のような少年が、まるで宮殿のような建物に入ろうとしている。
ここは鈴宮学園。
日本、いや、世界規模のお坊っちゃま達が通う学園だ。
だがしかし、男子校だが。
少年────七瀬 雪は躊躇いもなく門を潜り抜け、目的の場所へ向かう。
目的の場所とは、掲示板のあるホールだ。そこにクラス分けが貼り出されている。
雪が歩いてくると、他の生徒たちは言葉を失う。
あまりに儚く、美しいからだ。
女子と見間違えそうな外見をしている。本人曰く、コンプレックスだそうだが。
雪が歩く道を譲るように端によける。そして雪は自分の名前を確認し、そのまま体育館1へ向かった。
なぜ1が付くかというと、3まであるからだ。
この学園は日本全国の金持ちが集まるので、それなりに人数も多い。
講堂としても使用している為、3つもあるのだ。
雪としては「……お金の無駄」だそうだが。
体育館に到着するまでも、好奇の目で見られていたが、全く気にしない。
というか、気付いてすらいない。
基本何事にもめんどくさいのだ。
入学式ですら無駄だと思っているほど。
そして、ほぼ全ての席が埋まり、入学式が始まる。
舞台の壇上に上がったのは理事長。30にしてこの地位にいるのはなかなか珍しい。
しかもダンディズムな魅力を放ってらっしゃる。
それだけで周りは騒ぐ騒ぐ。
雪は予め用意していた耳栓をはめ、はあ、とため息をついた。
すると、次はやたらめったら美形な集団が壇上に上がる。
雪には聞こえていないが、生徒会だ。風紀委員もいる。
この二つの勢力は、かなりの美形揃い。まるでアイドルかのように声援に応えている。
耳栓をしているため、何を言っているか分からないが、とりあえず聞いているフリをする。
そして、およそ30分後、入学式は終わった。
雪は耳栓を外し、飄々と、教室に向かうのであった。
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