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今日こそ、君に想いを伝える。
私には、分かるんだ。
君が約束の場所で、私の事を待っていてくれてると。
そう思いながらも、やっぱり不安はあった。
待合室をのぞくと…
いつもと同じ所に座り、本を読んでいる君がいた。
B「A子。」
A「・・・?」
キョトンとした顔で、こっちを見た。
B「A子。私だ…、A子ちゃん。僕だよB男だよ。」
A「?」
B「やっぱり、姿形が変わって…お爺ちゃんになってしもうたから分からんかな。。。」
A「??」
そう、私はもう…お爺ちゃんになってしまった。
あの日、この場所で待ち合わせをしていなかったら
私がもっと早く、君の所に行っていれば…
あんな事故に巻き込まれなかった。
君を失うこともなかった。
君に会うのは、50年ぶり。
B「A子ちゃん。ゴメン。本当にゴメン。」
会えた嬉しさより、私のせいで命を落としてしまった君を見て、涙が止まらなかった。
A子は、自分が死んでしまったなんて思ってないんだろう。
だから、いつもの場所に君がいて
私とした約束の為に、ズーッとここで待っていてくれた。
A「どうして、そんなに謝るの?」
B「私のせいで、君が事故に巻き込まれ・・・君が死んだからだよ。」
A「?!」
B「あの時、君に伝えたい事があったんだ。それを今日、言いに来た。
『A子ちゃん。僕は、君のことが大好きです。付き合ってください。』
って、こんなお爺ちゃんの姿になってからじゃ遅過ぎるか。。。」
A「…あの時に想いを告げられたら、付き合えると思っていたんですかぁ?」
『!!』
B「そうだよね。僕は、弱虫だったから、あの時に想いを伝えても断られてた。」
A「そう。」
B「ゴメン。急に来て、もうここには来ないから安心して。」
また、涙が溢れ出てきた。
君とは、今日で本当にお別れか。。。
A「B男のバカ!!」
B「A子ちゃん?」
なぜ、君が泣くんだ?
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