第1章

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 この矛盾に気が付いてしまったら、アナタはきっと消えてしまうだろう。 B「おい、あと3分で到着すんぞ」  いつもの事とはいえ、木枠の改札でまったりとしていた貴男は私に話しかける。私は立ち上がり鞄の中にいつもの伊勢物語の単行本をしまい込んでのびをした。 A「・・・・・・ん」  だらだらと支度をしている私にしびれを切らしたのか木枠の改札から出てきた。 B「見送ったるから、ホレ」 A「ね、切符きらなくていいの?」  ホームまで手を引きながら、列車の音が近づくのを感じつつも多少声を張り上げる。
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