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続き
「あの、横いいですか?」
「え? あ、はい……」
私は読みかけの小説を閉じてカバンを膝の上に避けた。
声を掛けてきたのは落ち着いた感じの着物を着た色気のある女性だった。
「それ、すごく続きが気になって読み始めるときりが良いところまでやめれませんよね」
女性は横に座ると私の本のタイトルを見てにこりと笑う。
「……ですね、私、そのせいで電車一本乗り過ごしちゃったんですよ」
「わかる!今どこまで読んだの?」
「半分、くらいですね、事件が解決したと思ったのにまた……」
「ふふっ そこからがまた面白いのよね~ ネタバレになるから言わないけどっ」
……
そして私たちはその本についての会話に盛り上がりすぎてまた次の電車を逃してしまったのでした。
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