第1章

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アダムは少女を見てそう悟った 少女の絵は綺麗なパステルカラーに世界の無残な終わりを描写している 「大体そうよ。正確に言えばイヴの意思を最も受け継いだ遺伝子、母体というのかしら あなたと似た境遇ね で?それで話の続きだけど...」 「頑張ってエージェントになったかいありましたよ? エージェントの本部はエリアス大聖堂の地下です 場所さえわかれば後は襲撃し続けるだけです」 少女は嬉しそうに言った 「やったじゃない! すぐに近くの子供達を集めて襲撃の準備を進めるわ エージェントは邪魔だもの! 嬉しいわー! ね?」 「..?そうかもしれません、ね」 「? あなたの超能力には期待してるのよ ねぇ、嬉しくないの?」 「多分そうでしょうね こうして鳩に餌をあげている事と同等の幸福らしきものを感じます」 「そんな汚い生物に何してるの? それじゃあ3日後にね」 「はい...」 「どうしたのよ?そんなげっそりした顔して」 「え?」 アダムは指摘され 自分の酷く淀んだ表情に気付く 見なくても酷い顔をしていたのだとわかる程だった 「...なんでもございませんよ」 -----エージェント本部 大聖堂ホール---- 先程の密告から戻ったアダムは 大聖堂のホールに一人居た ホールには美しく巨大なセフィロトの木が描かれた壁絵に 水流の噴水が流れている 噴水の泉に映る自分の深刻そうな表情をアダムは見つめていた そして一人呟いた 「三日-...」 するとそこに 「シド様華麗に参上」 シド司令が壁に背をつけて アダムを見守るかのように現れた 「 なんちゃってな そんな深刻そうな顔をするな? 新人には皆厳しいもんさ これ食って元気だせよ?」 シドは持っていた買ったばかりのパンをアダムに投げる 「おや、司令が何故ここ...に? 任務中では...」 アダムはそういいつつパンを受け取る 「ははは 見ててお前があんまり可哀想だったんでな 上に無理言ってお前の指導係にさせてもらったんだよ これから任務の時は一緒、だぜ?」
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