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「司令に採用して下さった時から疑問なのでしたが
何故そこまで...?」
「リクの超能力は凄いし」
「誰です?リクとは」
アダムがその突然述べた名前を聞き返すと
シドは慌てた様子になる
「あ、間違った...すまんアダム
...そっくりだったんだよお前の姿や声
五年前イヴに殺された弟にな」
シドはそう言って銀時計の中に入れてあったリクの写真を開く
アダムは渡されたそれを感慨深い視線で見つめた
「...そうでしたか
シド司令
何かはわかりませんが
あなたと居ると失った何かを思い出せそうな気がしますね」
シドはニッと微笑んだ
「そうかい
これからよろしくな」
---------こうしてシドとの任務の日々が始まった
シドと朝礼をし
シドと調査に向かい
任務をこなし
シドと一緒に食事し
シドと一緒に寮を過ごした
カレンダーがめくられていく中
アダムの顔つきは変わっていった
冷静そうな眼差しからヒトらしい眼つきに...
そしてその日々の中で
アダムはシドに何故か問いかけた
襲撃予定の前日、に
「シド司令
よければ明日旅行でもいかがですか?
この街は窮屈でしょう?どこか遠くに...」
「明日は大事な日だ
エージェント全員が本部に集まってイヴ撲滅の会議をする
どうしたんだよ?突然」
「そうですね どうしたんでしょう...
突然こんな事…
変ですね」
そう呟いたアダムの肩にシドは手を置いてこう呟いた
「無理するなよ
じゃあ、明日な」
アダムは吹っ切れたように
立ち去るシドを止めた
「司令」
「ん...?」
「...いえ
なんでもありません」
でもシドは行ってしまった
その頃
明日の襲撃のため
既にこの街は母体が呼び寄せたイヴで集まりかえっていた
シドは本部に向かう途中
"ソレ"らとすれ違った
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