兼光響の苦悩

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麗奈はすんげえお嬢様で、皆から一目置かれている存在だった。 休み時間も友達と思われるような女たちと一緒に居るところを見たこともなく、ただ静かに席で本を読んでいる奴だった。 対して俺は授業もまじめに出席せず、仲間と群れては悪いことをして日ごろの鬱憤を晴らす毎日。 まったく無縁の存在だった。 このまま話すこともなく高校を卒業して、お互いに思い出しもしない存在であるはずだった。 あの日までは。
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