第5話 真実

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――決意を新たにしたところで、ふと、周りの女子達の声が耳に入る。 「あの人、すっごくかっこよくない?声かけてみようかなー」 「本読みながら誰かを待ってるのかな、知的で素敵」 いつも本を読んでいる、すごくカッコいい男の子。 ……そんな人は世の中に沢山いるんだろうけど、この駅に限ってはあいつくらいしかいないだろう。 顔を上げて辺りを見渡すと、改札を出てすぐのところに、壁にもたれて本を読んでいる彼の姿があった。 「何してるの?駿河……」 私の足は無意識に、駿河の方へ歩みを進めていた。
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