第1章

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真夏の寝苦しい夜は、どうせ汗が出るからと風呂に入らなかった。 その日の夜は本当に蒸し暑く、春佳は午前2時半過ぎに目を覚ました。 べったりと髪の毛が首にまとわりつく。枕元に用意していたタオルで汗を拭き取るも、どうもベタベタして気持ち悪かった。 春佳はタオルをベッドの上に置いたまま、部屋を出たのだった。 ――……‥‥ 本当は良くないが、温度を冷たく設定したシャワーを浴びる。その心地よさに、春佳は目を閉じシャワーを顔から受けた。 体の隅々まで石鹸で洗い、流す。髪の長い春佳は手や腕、腹や背中に大量の髪の毛が着くのは当然であった。 最後に、冷えた体を温めるためにシャワーの温度を上げて一通り流した。 扉を開けると、浴室に籠っていた熱気が放たれ涼しい空気と混じり合う。
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