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ハッピーウェディング
小さい頃からの夢だった。
白い教会で挙げる結婚式。
クレヨンで描かれる私の結婚式は、いつも青い空の下に白い教会。そして、色とりどりの花のついたドレス。
一部の人間には付いて回る運も夢も、私には遠い世界の夢物語。
「夢は夢でしかない」と眠りから覚めるたびに思い知らされ、夢見る事さえ諦め始めていた。
けれど夢は、鼻先をかすめて行く運を掴めるか掴めないかで、見れるかどうかが決まるらしい。
ある日、ポーンと目の前を通り過ぎようとした運。
夢中で掴んだ。誰にも分らないように運を育てた。
私は、幸せになれるんだ。
そして私は今日、10月の青い空の下、真っ白な教会で結婚式挙げる。
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